こんにちは、定職就かずのお気楽旅人、チェルです!
バックパッカーとして世界中を一人旅してきた筆者が、リアルな旅の体験や、これから旅する方に役立つ情報をシェアしています。

「飛行機には何を預けられて、何を持ち込めるの?」
「荷物に制約はあるの?」
「飛行機に持ち込める荷物について詳しく知りたい!」
こんな悩みや、疑問を持つ方も多いと思いのではないでしょうか。
飛行機には、「持ち込めるもの」と「持ち込めないもの」があります。
そのため、ふだん何気なく使っているものが「危険物」として持ち込めない可能性があります。
この記事では、国際線の荷物について分かりやすく解説していきます。
知識や注意点を身につけて、安心して空の旅を楽しみましょう!
▼前回の記事はこちら!
▼初心者講座①はこちら!
飛行機に持ち込めないものがある理由

まず、旅客の荷物は2つに分類されます。
- 受託手荷物
- 大きなスーツケースやキャリーバッグなど、チェックインカウンターで預ける荷物。
- 機内持込手荷物
- 機内に直接持ち込む荷物や身につけたり携帯したりする荷物。
これらの荷物は搭乗前にX線検査機を通し、爆発や発火の危険がある物、有毒物質、あるいは凶器となり得る物が含まれていないかを確認します。
さらに、搭乗者自身も金属探知ゲートを通過し、機内への持ち込みが禁止されている物を身につけていないか検査を受けます。
旅客が飛行機に持ち込める荷物には、航空法や国際民間航空機関(ICAO)の規定により、世界共通のルールが定められています。
このような厳格なルールや検査が行われるのには、いくつかの理由があります。
安全性の確保

- 爆発や発火の防止
- 危険物(例:可燃性物質やリチウム電池など)は、高度や気圧の変化、衝撃などにより爆発や発火する可能性があります。これが機内で発生すると、乗客や乗員の命に直結する重大なリスクとなります。
- 化学物質の漏出防止
- 有毒ガスや腐食性のある液体が漏れると、乗客の健康被害を引き起こすだけでなく、機材にも深刻な損害を与える可能性があります。
「危険物」に当たるものを飛行機に持ち込もうとすると、廃棄するか別の手段で送る必要があります。
※仮に持ち込んでしまった場合、各国の法令により、罰則・罰金が課せられることがあります。
十分に気をつけてパッキングしましょう!
ハイジャックや犯罪の防止

ハイジャックやテロ行為が起きる危険性があるため、凶器や武器などの持ち込みが禁止されています。
過去の航空機事故や事件から、これらのリスクを未然に防ぐことが極めて重要とされています。
現代では、そういった過去の教訓から多くの先進的な技術や厳重な安全管理が導入されています。
- 厳格な荷物検査
- 身体検査
- 身元確認
- コックピットの強化(航空機を操作するための操縦室)
- 乗務員の教育
- 遠隔操作システム etc.
これらの対策により、ハイジャックの発生リスクを最小限に抑えています。
また、過去の事件から学び、航空業界全体で安全性を継続的に強化しています。
国際的なルールの遵守

航空業界は、国際民間航空機関(ICAO)の定める基準に従って運行されています。
これらのルールに違反すると、国際的な信頼を損なうだけでなく、航空機の運行に影響を及ぼします。
- 国際航空安全条約(例:モントリオール条約)
航空機に対する不法行為(ハイジャック、破壊行為など)を防ぐための国際的な枠組みが存在します。 - パイロットや乗員の資格要件
国際基準に基づいて、パイロットや航空機関士の訓練、免許の取得、健康診断が行われます。 - 効率的な運航
各国が共通のルールに従うことで、空港運営や航空交通が混乱なく管理されます。 - 信頼性の確保
国際基準を守ることで、航空会社や空港への信頼が向上します。 - IATA危険物規則(DGR)
国際航空運送協会(IATA)が定めた基準に基づき、爆発物や有毒物質などの危険物の取り扱いが管理されています。 etc.
これらのルールを守ることで、安全性や信頼性、効率性が維持されています。

このような厳しい世界共通のルールが設けられていると、安心して空の旅を楽しむことができますね!
これだけはアウト!絶対NGな持ち込み禁止アイテム

爆発の恐れがあるもの、燃えやすいもの、有害物質などの「危険物」は、機内へ持ち込むことも、手荷物として預けることも禁止です。
いくつか実例を挙げていきます。
高圧ガス

各種ガスボンベ、酸素管、キャンプ用ガスetc.
- 高圧ガスは気圧の変化によって破裂や漏れの危険があるため。
- 可燃性ガスや毒性ガスの場合、火災や中毒のリスクがあるため。
例外として持ち込み可能なもの
火薬類

花火、クラッカー、弾薬etc.
- 爆発の危険性があるため、航空規則で厳しく禁止されている。
- 一部の火薬類は危険物規制により法律違反となる可能性もある。
例外として持ち込み可能なもの
スポーツ用(例:狩猟用・競技用)は、航空会社および国の規制を満たせば預け入れ可能な場合があります。
可燃性物質

着火剤、マッチ、炭etc.
- 火災、爆発や急激な燃焼のリスクが高い
- 気圧の変化による影響
- 消火が難しい
例外として持ち込み可能なもの
一部の可燃性物質は、特定の条件を満たせば持ち込み・預け入れが可能です。
- ライター・マッチ
- 個人使用分のみ、1人1個まで機内持ち込み可能
- エアゾール製品(ヘアスプレー・制汗スプレー)
- 1容器あたり500mlまたは500g以下
- 1人あたり合計2Lまたは2kgまで
- アルコール飲料
- アルコール度数24%以上75%以下の場合、1容器あたり5Lまで
- 1人あたり最大5Lまで(預け入れ荷物のみ可)
- 密閉された容器に入っていること
引火性液体

オイルライター用燃料、ペンキ、塗料etc.
- 火災のリスクが高い
- 引火性液体は蒸発しやすく、気化した成分が密閉空間で爆発的に燃焼することがある。
- 気圧の変化による漏れ・破裂の危険
- 飛行機の上空では気圧が低下し、液体が膨張して容器が破裂・漏れる可能性がある。
- 消火が難しい
- 飛行機内は消火設備が限られており、火災が発生すると制御が困難になる。
例外的に持ち込み可能なもの
酸化性物質

漂白剤、カビ取り剤、酸素吸引器etc.
- 火災の助長・爆発の危険性
- 酸化性物質は、可燃物と接触すると自然発火や爆発を引き起こす可能性がある。
- 気圧の変化による危険
- 飛行機の高度が上がると、密閉容器内の圧力が変化し、漏れたり、容器が破裂したりする恐れがある。
- 他の化学物質との反応
- 酸化性物質は燃料や油脂と接触すると激しく反応し、火災を引き起こすことがある。
例外的に持ち込み可能なもの
毒物

農薬、殺虫剤etc.
- 健康被害のリスクがある
- 密閉空間の機内では、漏れたり気化したりすると、乗客や乗員に深刻な健康被害を及ぼす可能性がある。
- 気圧の変化による漏れ・破裂の危険
- 高度が上がると密閉容器内の圧力が変化し、液体やガスが漏れたり容器が破裂したりする恐れがある。
- 火災・爆発の危険性
- 可燃性の殺虫スプレーは、引火すると爆発する危険があるため、特に厳しく規制されている。
例外的に持ち込み可能なもの

※これまで挙げてきた危険物を持ち込んでしまった場合、各国の法令により、罰則・罰金が課せられることがあるので十分に気をつけて下さい!
例外として、医療用の小型酸素ボンベや、化粧品類や医薬品類など、物によっては機内持込み手荷物や預け手荷物の中に入れることが可能な場合があります。
要注意!間違えがちなアイテム7選

日常的に使っているものや旅行先での便利なグッズなどの中には、危険物に該当し、受託手荷物として預けられないもの、条件付きで機内へ持ち込めるものがあります。

細かい規定や意外な物が持ち込めなかったりするので要チェックです!
除菌製品

除菌製品の一例
- 除菌シート
- 消毒用アルコール etc.
《飛行機への持ち込み》
- 受託手荷物 ◯
- 機内持込み ◯
携帯型電子機器

携帯型電子機器の一例
- スマホ、ガラケー
- タブレット
- パソコン etc.
《飛行機への持ち込み》
- 受託手荷物 ◯
- 機内持込み ◯
※予備バッテリーやパワーバンクは、必ず機内持ち込み手荷物として携帯してください。これらは、発火の恐れがあるため受託手荷物に入れることが禁止されています。
携帯用電子機器は、受託手荷物として預けることが可能ですが、重要な電子機器はできるだけ機内持ち込みにすることを推奨します。

決して全ての空港で該当するわけではないですが、海外の空港では荷物を粗悪に扱う業者がいます。
最悪の場合、壊れたり盗られたりする場合があります。
そのため、できる限り機内持ち込みをしましょう!
リチウム電池製品

リチウム電池製品の一例
- モバイルバッテリー
- 電子タバコ
- カメラ用バッテリー etc.
《飛行機への持ち込み》
- 受託手荷物 ❌️
- 機内持込み ◯
※リチウム電池製品は衝撃や高温、内部ショートによって発火する可能性があります。
受託手荷物は貨物室に保管されるため、発火が起きた場合に早期発見や対応が難しいことから、リチウム電池製品は機内持ち込みのみ許可されています。
ライター

ライターの一例
- ガスライター(使い捨て・ガス充填式)
- オイルライター etc.
《飛行機への持ち込み》
- 受託手荷物 ❌️
- 機内持込み ◯
※複数のライターや燃料の補充缶は、機内持ち込みも受託手荷物も禁止されています。
※衝撃や温度変化によって、漏れたり発火・爆発する可能性があります。
ライターも、発火が起きた場合に早期発見や対応が難しいことから、機内持ち込みのみ許可されています。
※日本の航空会社は基本的に機内持ち込みはできますが、国や地域によっては、機内持ち込みを禁止しているところがあるので持ち込み予定の方は、事前に搭乗予定の航空会社に問い合わせて下さい。
ヘアアイロン

《熱源と電池の回線を切断する機能がないもの》
- 機内持込み ❌️
- 預け手荷物 ❌️
《熱源と電池の回線を切断する機能があるもの》
- 機内持込み ○
- 預け手荷物 ○
一部の航空会社では、受託手荷物や機内持ち込み手荷物に関する規定が異なる場合があります。
特に、ガス式やリチウム電池式のヘアアイロンについては、事前に利用する航空会社に確認することをおすすめします。
刃物

《飛行機への持ち込み》
- 受託手荷物 △ (刃の長さにかかわらず、鋭利な物は受託不可です。)
- 機内持込み △ (刃の長さにかかわらず、鋭利な物は持込み不可です。)
※基本的に刃物を飛行機に持ち込むことは禁止されています。
これは、刃物が凶器として使用される可能性があり、乗客や乗員の安全を確保するための措置です。
国や航空会社によって規定が異なる場合がありますので、持って行く予定の方は搭乗予定の航空会社に直接問い合わせることをおすすめします!
食品(液体物)

《飛行機への持ち込み》
- 受託手荷物 ◯
- 機内持込み ◯
※医薬品や乳幼児用のミルク・ベビーフード、特別な制限食などは液体物持込み制限の対象にはなりません。
※セキュリティチェック後に購入したものは、容量オーバーしていても機内に持ち込むことができます。
▼もっと詳しく知りたい方はこちら!
受託手荷物のサイズ・重さ・個数は?知らないと損する制限やルール!

受託手荷物のサイズ、重量、個数の制限は航空会社ごとに異なります。
そのため、以下の表をご参考ください。
JALの場合
クラス | サイズ | 重量 | 個数 |
---|---|---|---|
ファースト | 3辺(縦・横・高さ)の合計が203cm以内 | 32kg | 3個 |
ビジネス | 同上 | 32kg | 3個 |
エコノミー | 同上 | 23kg | 2個 |
※サイズはキャスターと持ち手も含みます。
※203cm以上になった場合は、別途サイズ超過料金が必要です。
※規定の重量を超えた場合は、別途重量超過料金が必要です。
ANAの場合
クラス | サイズ | 重量 | 個数 |
---|---|---|---|
ファースト | 3辺(縦・横・高さ)の合計が158cm以内 | 32kg | 3個 |
ビジネス | 同上 | 32kg | 3個 |
エコノミー | 同上 | 23kg | 2個 |
※サイズはキャスターと持ち手も含みます。
※158cm以上になった場合は、別途サイズ超過料金が必要です。
※規定の重量を超えた場合は、別途重量超過料金が必要です。
Peachの場合
クラス | サイズ | 重量 | 個数 |
---|---|---|---|
エコノミー | 3辺(縦・横・高さ)の合計が203cm以内 | 20kg(最大32kg) | 5個 |
※サイズはキャスターと持ち手も含みます。
※203cm以上になった場合は、別途サイズ超過料金が必要です。
※20kg~32kgの場合、別途重量超過料金が必要です。
機内持ち込みのサイズ・重さ・個数は?知らないと損する制限やルール!

機内に持ち込む荷物にもサイズ、重量、個数の制限があります。
制限は、航空会社ごとに異なりますので、以下の表をご参考ください。
JALの場合
クラス | サイズ | 重量 | 個数 |
---|---|---|---|
全て | 3辺(縦・横・高さ)の合計が115cm以内 | 手荷物+身の回り品=10kg | 手荷物+身の回り品=2個 |
※キャスターやハンドルの長さも含みます。
※サイズ、個数、重量を超える場合は受託手荷物としてお預けください。別途料金が必要です。
ANAの場合
クラス | サイズ | 重量 | 個数 |
---|---|---|---|
全て | 3辺(縦・横・高さ)の合計が115cm以内 | 手荷物+身の回り品=10kg | 手荷物+身の回り品=2個 |
※キャスターやハンドルの長さも含みます。
※サイズ、個数、重量を超える場合は受託手荷物としてお預けください。別途料金が必要です。
Peachの場合
クラス | サイズ | 重量 | 個数 |
---|---|---|---|
エコノミー | 3辺(縦・横・高さ)の合計が115cm以内 | 手荷物+身の回り品=7kg | 手荷物+身の回り品=2個 |
※キャスターやハンドルの長さも含みます。
※サイズ、個数、重量を超える場合は受託手荷物としてお預けください。別途料金が必要です。
身の回り品とは?

「身の回り品」とは、飛行機の機内に持ち込め、前の座席下に収納できる大きさの荷物のことを指します。
手荷物とは別に機内へ持ち込めるもので、多くの航空会社では「機内持ち込み手荷物+身の回り品」の2つまで許可されています。
- ハンドバッグやウエストバッグ
- ノートパソコンやタブレット、カメラ
- ジャケットやコート
- チャイルドシート
- 身体障がい旅客が自身で使用する松葉杖、ステッキ、添木その他義手、義足類
- 幼児または小児用品を入れたカバン類
- 幼児または小児旅客のために使用する携帯用ゆりかご
- その他、航空会社が機内持ち込みを認めたもの
まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、国際線の荷物について詳しく解説してきました!
空の旅を安全に楽しむためには、ルールを正しく理解することが重要です。
危険物や制限がある物を誤って持ち込んでしまうと、廃棄や罰則の対象となる可能性があります。
主なポイントは以下の通りです。
ルールを守ることで、安全で快適な空の旅が実現します。
持ち物を準備する際には、この記事で解説したポイントを参考にして、安心して出発しましょう!!
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